え?


え?


誘い!!??



いつ!?


誰が!?


何のためにっ!!?


霧島くんの誘惑発言で、私は図書館の時と同等、またもや緊急事態に陥っていた!!!



どどどどどうしちゃったの!?



霧島くん、じょ、冗談だよね?!



写真の時と同様の彼のからかいだと思っていると、


「さっきから咲希ばっか俺のこと覗き見しててマジずりぃ。俺も咲希のことよく見せろよ…。」


と、なぜか私の耳ともで囁いてくる……!!


ゾクッと背中に電気が走ったような感覚が私を襲う!



し、知らない!


こんな霧島くん、私はお初だよっ!!


すると彼の左手が私の頬に触れて包み込んでくる……!



わ!?



な、なに!??



「咲希。コッチ。」



へ!??



そのまま顔を上向かされ、彼との距離が急激に縮まるっ!




!!!!




「ほら。これで俺の顔、よく見えんだろ?俺も咲希の顔見れるし…。」


「あの……だから………そのっ!」


「待った無し。」



え!!?



何が!?




どんどん彼の顔が近づいてきて………





チュ。





!!!!!??






「ごちそうさま。」



私の左頬に、彼の唇が当たった………



ような気がした………。



霧島くんは満足そうに口角を上げて、私から次第に遠ざかっていく………。



こ。こ。これって。




「初チューだな。俺たちの。」



答えが出ない私に、霧島くんが先に答えた。




「…………………………チュウ?」





!!!!!!!





「んなっ!!?!そそそそそんなことするなんて、ききき聞いてないよっ!!!なんでそんな………キス………なんてしたのよおおぉぉ~~~!!!?」



私の今日一番の大音声が小さな公園に響き、そしてこだました……。



「だって咲希が悪い。俺、この一日通してけっこう我慢してた方だし。」


と、霧島くんが不満を口にしてきた……!!



が、我慢?!!



っていうか、私が悪いの!??



なんで!?


「だ、だ、だからって!許可なくそんな事をっっ!!!そ、そ、それにココは公共の場でしょっ!?」


すると霧島くんが私の発言に反応した!


「へー。“公共の場” じゃなきゃいいんだな…?」



へ!?


何??いきなり……。



急に優しい笑顔になった霧島くんに私は油断した!


「じゃ、“公共の場以外” でキスしてあげるから、いつでもおいで?」


「ちょっ!!!そういう意味じゃ!!」


「もうダメ。咲希がそう言ったんだから取り消しは却下。」



なんでよ!!??


それ以上言い返すこともできず、
むぅ~と頬をふくらませて座っていると……、


「まだ目、腫れてるぞ?やっぱし俺が冷やしてあげよっか?」


「ひゃっ!!?け、けっこうです!!!」


「そ?残念。」



なんで!??



さっきまではあんなに優しかったのに、何でこんな超意地悪霧島くんになっちゃったの??!!



進化させたの誰よ!?


もう!!



私は霧島くんのせいで上がった熱を下げるために、お茶を一気飲みした!!





~♪





ん!?携帯?



霧島くんの携帯が鳴ってたみたいで、どうやらメールみたいだ。


私は気に留めずに二本目のお茶も一気飲みしていた…。








理人の携帯画面にはこうあった。



【件名:王子サマへ


暴走すんなよ? 】




文面はそれだけだった。



「もう、遅ぇよ………。やっちまった……………。もう制御できねぇ。」



はああぁぁ……と大きなため息は、理人の心の中でとどめたのだった。