──と、その時。



「…そこで何してんの?」



聞き覚えのある声。


だけどそれはいつもよりずっと低くて、どこか威圧感のあるものだった。



「誰かと思えば、2年の塚原くんじゃん。俺の彼女に何か用?」



ニコッと黒い笑顔を浮かべるアッくん先輩。


怖いは怖いけど、その前の "俺の彼女" の部分に絶賛胸キュン中なのでオールオッケー。


言動がいちいちカッコいいよねこの人。



「用がないなら離してくれる? でないと俺、君のこと殴っちゃうかもしんねぇからさ」


「……ッ」



さすがに最強ヤンキー様の凄みには勝てなかったのか、伸平はゆっくりと体を離す。


すごいねー。あたしがあんだけ難儀してた血迷い男を、ものの10秒で片付けちゃったよ。


お見それしました!