──と、その時。
「…そこで何してんの?」
聞き覚えのある声。
だけどそれはいつもよりずっと低くて、どこか威圧感のあるものだった。
「誰かと思えば、2年の塚原くんじゃん。俺の彼女に何か用?」
ニコッと黒い笑顔を浮かべるアッくん先輩。
怖いは怖いけど、その前の "俺の彼女" の部分に絶賛胸キュン中なのでオールオッケー。
言動がいちいちカッコいいよねこの人。
「用がないなら離してくれる? でないと俺、君のこと殴っちゃうかもしんねぇからさ」
「……ッ」
さすがに最強ヤンキー様の凄みには勝てなかったのか、伸平はゆっくりと体を離す。
すごいねー。あたしがあんだけ難儀してた血迷い男を、ものの10秒で片付けちゃったよ。
お見それしました!

![浮気男に逆襲を![番外編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.763/img/book/genre1.png)