「うっせぇ黙れ。もう何も言うな」
「は?」
「何も言うなって!」
ギッと鋭い目で睨まれる。
至近距離だからかいつもより迫力があって、反射的に体がビクついた。
「お前見てるとイライラすんだよ…」
いつになく余裕のない表情で語り出す。
その声はどこか切なげで、今まで一度も聞いたことがないようなものだった。
「俺と別れた途端に可愛くなるし、それが俺のためだと思ってたら他の男と付き合いやがるし……一体何がしてぇんだよ。捨てられた腹いせでもするつもりか?」
ごうごうとまくしたてられる。
けど、早口すぎて最後の方しか聞き取れなかった。

![浮気男に逆襲を![番外編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre1.png)