微妙にひきつる頬はスルーして、せっかくだからと貰ったヘアピンをつけてみようと試みる。


けど、思いのほかうまく留まってくれない。


嘘……あたしヘアピンすらまともにつけられないの?


いくらなんでも不器用すぎっしょ。



「……信じらんない」



自分自身にドン引きなう。



「どれ。貸してみ」



そんなあたしを見かねてか、先輩が含み笑いであたしの手からヘアピンを奪った。


そしてぐいっと前髪を上げて、キュッ。


一発で綺麗に留めてくれちゃいました!


何この人。女子より女子力高いんだけど。