浮気男に逆襲を!



先程までとは別人みたいに真剣な眼差し。


それに内心驚きつつも、あたしはコクンと力強く頷いた。


お姉様は安心したように目尻を下げて、「それじゃあまたね!」と再びのハイテンションでスキップ走り。



「「……」」



その背を見送りながら、しばしポカンと無言になる2人。


うーむ…何と言うか、嵐のような人だったな。


ひょっとして、ご両親もあんな感じのパーソナリティなのかしら?


……。


やばい。自分で言ってちょっと寒気してきた。


もしそうだったらメンタル崩壊は免れんぞ。


などと、顔をひきつらせつつガクガクブルブルしていると──



「そろそろ、中入るか」



先輩が苦笑混じりにそっとあたしの手を引いて、ようやく岩崎家の敷居をまたがせてくれたのだった。