キョトンとそっちを向くと同時に、唇を塞がれる。
「 ! ? 」
し、しまった……油断した。
このお方が黙って引き下がるわけないじゃん!
アホかあたしは!!
「ふっ……ぅ、ん……」
静かな空間に響く羞恥ボイス。
もはや立場逆転しちゃってるし!
などと脳内でいたって冷静なツッコミを入れていると、そっと唇が離され……
「まだまだ甘いっての。俺に敵うわけないじゃん」
ニッと妖艶に微笑む先輩が視界に入ったと思えば、また唇から熱が伝わる。
何度も何度も、角度を変えて落とされるキスの嵐。
息も心臓ももちませんって!
……あーもう。またあたしの完敗か。
まったく……一体、いつになったらこの人に勝てるんでしょうか。
なんかもう一生無理な気がしてきたわ。ハハ。

![浮気男に逆襲を![番外編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.781/img/book/genre1.png)