「っ! ?」 案の定、先輩はギョッと目を見開く。 「え……りん?」 間の抜けた声を漏らし、しきりに目をぱちくりさせる彼。 息がかかるくらいの距離で、あたしは茶化すように笑ってもう一度同じシーンを再演した。 そしてゆっくり唇を離し、 「おはよ、アッくん先輩。ビックリした?」 心臓バクバクしてるけど、努めて平静を装って声をかけた。 「お、おまっ…何して…」 思わぬ不意打ちをくらい、先輩はみるみるうちに真っ赤になった。