浮気男に逆襲を!



「……ん……」



ひたすら考え込んでたあたしの耳に、少し鼻にかかった寝ぼけ声が飛び込んできた。


えっもう起きちゃうの! ? と体を跳ねさせるあたしの懸念なんてどこ吹く風で、う~んムニャムニャという猫っぽい仕草と共にすぐさま安眠タイム突入。


あ……危なかった。


先輩の寝起きの悪さグッジョブ!


って、んなこと言ってる場合じゃなかろう。


ここで目覚められると、またとない復讐の機会を失ってしまいますからね。


……よし。ここは意を決して、今しがた思いついたことをやってみましょう。


女は度胸だ、中沢よ!


ってことで、あたしはまたそ~っとアッくん先輩のお顔を覗き込み……



──チュッ



軽~く、唇を重ね合わせた。