「……これが、お前の言う "キコウ" の全てだ」



未だカタコト風の "奇行" に地味にイラッとしつつ伸平を見やれば、包み隠さずストレートに語った清々しさと、ガチ告白への気恥ずかしさが入り交じった何とも珍妙な表情をしている。



「ふ~ん…」



あたしはといえば、そりゃーちゃんと真面目に耳を傾けてましたよ?


べっ別に、喋ってる最中に欠伸したり、話長ぇんだよとか心ん中で愚痴ってたわけじゃないんだからねっ!


などと今流行りのツンデレテイストで間接的に本音を暴露しちゃった辺りで、ちょっと状況を整理しましょうか。


結局この男は、今さらそんな話聞かせてあたしにどうしろって言うんだろーね?


だってさぁ。あたしに告ったのもあたしをフッたのも面白半分の実験感覚で、新カノさんへの気持ちもホンモノじゃなかったわけじゃん。


……結論。



『塚原伸平="女の敵"』



ってことでいんじゃね?


さすがにここまで来たら「自分、実は不器用だったんス」な~んて甘いお話は通用しないよねぇ。


となれば。


ここはやっぱ、きっちりケジメとってもらうのが筋ってもんでしょ!


ニヤリと笑って、あたしは腰に手を当てて奴を見据えた。