「……ブッ飛ばす」



怒りボルテージがヤバいとこまで上がってきたので、あの最低男に一発かましてやろうと思ったが。


そんなあたしの真後ろから、クスクスと耳障りな笑い声が聞こえて思わず振り返った。


そこにいたのは、昨日伸平とイチャついてた、マロンブラウンのボブカットがよく似合う可愛い子。


人を小馬鹿にするような表情で、楽しげにあたしを見つめている。



「……なに」



我ながら刺々しい声。


彼女はまたクスッと可笑しそうに笑って、ゆるゆるとその大きな目を細めた。