「悪いけど、あたしは…」 「──だから」 言いかけた言葉を遮られる。 えぇい、今度は何だ。 人の話は最後まで聞けよ。 「もう、逃げるのはヤメだ。俺の気持ち、全部正直に話すよ」 「は?」 ここに来ていきなりカミングアウトかい。 随分と唐突だね。 「包み隠さず伝えるから……俺の話、聞いてくれるか?」 切なげに揺れる瞳。 アッくん先輩のワンちゃんお目々、その劣化版とでも言いましょうか。