「あのさぁ。放課後時間ある? 大ッ事な話があるんだけど」



"大事" をあえて強調することで、威圧感をたっぷりかもし出すという粋(いき)な演出。


うん。あたし、こーゆーことに関しては優秀かも。


我ながら無駄な才能だとは思うが。



「ああ、いいぜ。どこ行けばいい?」



ハイ登場どや顔混じりの『ああ、いいぜ』。


2度あることは3度あるだね。



「ん~…じゃあ、裏庭で」


「わかった」



努めて穏やかな会話にしたけど、これはあたしにとって始まりのゴング。


今こそ昨日の無念を晴らそうぞ! 的なね。


クックックッとダークな笑みをこぼし、すぐ横の席につく。


あーあ。早く来い来い放課後ちゃん。


お隣でニヤニヤしてるアホ男に、今度こそ目にもの見せてやるわ。