「りん、その口……」



挙動不審なあたしに気付いて、ジャムパン片手に先輩が目をぱちくりさせる。


あちゃー、見られちゃったよ。参ったね。



「だいじょぶだいじょぶ! すぐ拭くから」



もうこうなったら笑ってごまかそう。


とばかりに、アハハーッと乾いた笑い声を発してみると。



「やれやれ。世話の焼ける子だね~」



ぐいっと指で口元のクリームを拭い、それをペロッと何てことなくなめてるアッくん先輩。



「な……」



何してんのアンタ。


思いっきり間接キスじゃんそれ!


かぁ~っと顔が熱くなる。