「そんなん決まってんじゃん。離したくないからだよ」
「へ! ?」
甘~い囁き再び。
やばいマジで倒れそう。
「つーか…何あんなヤツに触られてんの」
「え?」
「元彼だよ。いつ押し倒されてもおかしくない状況だったじゃん、さっき」
「押し倒すって……」
いくらなんでもそりゃナイでしょ。
一応ってか確実に別れてんだから。
「まったく…。りんは無防備すぎるんだよ」
不服そうにぼやきながら、その見た目よりがっしりした腕を解くアッくん先輩。
あー良かった、とりあえず命の危機脱出!
と安心したのもつかの間。
「ダメだな……俺、りんのことになると一気に余裕なくなる」
ため息混じりに呟く先輩のキレーなお顔が、10cmもないんじゃないかなってくらいの距離感で存在。
……一難去ってまた一難。

![浮気男に逆襲を![番外編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.759/img/book/genre1.png)