無言のまま屋上に続く階段を上がり、重厚な扉を開けて中に入る。 心地良い初夏の風がふわりと頬を撫でた。 ──次の瞬間。 「え、先輩…! ?」 「……」 いきなりすごい力で抱き締められて、ぎゅーんと体温が跳ね上がる。 え、え、何コレ。どーなってんの? ガチで心臓やばいんだけど。 「ちょ…先輩、離……」 「ムリ」 「な、何で! ?」 このままじゃあたしまで卒倒するって! キュン死に必至!