「礼なんて、普通俺にしねぇだろ……翔、悪かった。ありがとな」
俺は錠剤を飲み、遠くなる意識の淵でずっと祈っていた。
棗、汐弥さんを憎まないで。
不器用なだけだった愛情を、否定しないで。
あの人はいつも棗を話していた。
大事な妹だって。
棗、間違っていたかもしれないけれど、許すことはできないかもしれないけれど、あの人の愛情だけは、思いやりだけは否定しないで。

          翔side end