いつでも一番星



「なんか、明日から新学期って感じじゃないよねー」

「そうだね、むしろちょっと信じられないよ」


外の空気を吸って伸びをする茉理ちゃんの言葉にしみじみとしたものを感じながら、わたしも同じような気持ちを口にする。

薄らと暮れてゆく空を見上げながら深呼吸をすれば、新鮮な春の匂いがした。実感は湧いていなくても、もう、ちゃんと季節は進んでいる。


「春休みも部活ばっかりで全然休めてなかったし、もう少し休みがほしいな~。なんでこんなに、春休みって短いんだろ。そのくせ、課題はしっかりあるし」


茉理ちゃんはあと少しだけ残っている課題のことを頭に浮かべたのか、苦い顔でため息をついた。その表情には、少しだけ疲れが見えていた。


どちらかというと自由がきく家庭部に所属しているわたしが春休み中に活動したのは、月1で行っている調理実習のときの一度きり。それ以外は休みだった。

それに比べて運動部の中でも活発な野球部のマネージャーをしている茉理ちゃんは、定期休養日以外はいつもどおりに学校に行って部活動をしていたらしい。もちろんだけどナツくんや横峰くんも同様に、日々練習に取り組んでいたようだ。

そんな忙しい日々を送っていた茉理ちゃんからすれば、春休みの課題は邪魔だったろうな……。

昨日までも練習があったらしいし、なかなか終わらないっていうのも納得出来てしまう。

春休みの序盤から課題をこなしていたわたしでさえまだ終わっていなかったのだから、それに比べるとずいぶん頑張っているように思えた。