期待と不安で揺れているわたしを励ますためだけに、むやみに言っているのではない。
そう感じられたから、その言葉たちはわたしの背中を押してくれた。
そしてその瞬間。ずっと胸の奥に引っ掛かっていたものは、片思いを遮る障害ではなく、臆病なわたしを奮い立たせるエネルギー源となる。舞い降りたそれは、ちゃんと希望だった。
「……そっか。ナツくんのことを知ってる茉理ちゃんがそう言ってくれるなら、きっとそうなのかもしれないね」
「そうだよ。それはわたしが保証する!」
どんと胸を叩いて自信満々に言う茉理ちゃん。たくましい姿に嬉しさがこみ上げてきて、ふふっと笑いをこぼした。
「ありがとう、茉理ちゃん。わたし……期待してみる。それでこれからもっと近づけるように頑張ってみる」
関係性はまだまだわたしが望んでいるものではないけれど、心の距離は少しずつ近づいている証拠。
きっとそうだと、信じてみよう。
わたしや茉理ちゃんの憶測ではなく、それが真実なのだと。
たとえ友達としてでも、大切だと思ってもらえていたなら……。
バレンタインの日に渡したわたしの想いの一部も、少しは無駄ではなくなるよね。きっと。
どっちつかずに揺れていた天秤が、大きく期待の方に傾くのを感じた。
それだけで、またこの恋を頑張ろうと思える。
期待が自信につながっているみたいだった。
☆★☆
それからもう少し、お喋りという名の休憩をしたあと。
茉理ちゃんは残りの課題を30分ほど我が家で解くと、残った数枚分のプリントは自宅ですることに決めて帰ることにしたようだ。
お見送りのために、家の門扉のところまで一緒に出る。



