いつでも一番星



「え……」


聞き覚えのある声だった。

優しくて、真っ直ぐで、わたしの意識を一瞬で奪う人の声――。


とっくの前に見失った人の声が聞こえたことに、わけがわからないまま反応する。

目尻に少しだけ涙の雫を残したまま、靴箱から直結している玄関ホールに視線を移すと……。


「……っ、ナツくん……」


そこに、ちゃんといた。

さっきまで頭の中に浮かんでいた後ろ姿ではなく、わたしを見ているナツくんが目の前に。


……でも、どうして?

部活も休みで、わたしが追いつく暇さえないぐらいの早さで帰ったはずなのに。

そんなナツくんが、どうして今、目の前にいるの……?

今日はもう会えるはずがなかったナツくんとまさかの再会ができたのは、単純に嬉しいと思った。

だけど実際はその気持ちよりも、再会できたことへの驚きの方が大きくて、ナツくんの姿を見つめたまま目を見張っていた。

すると靴箱の前に移動してきたナツくんが、わたしの顔を見るなりぎょっと目を見開く。

そして慌てた様子でわたしとの距離を詰めると、いきなりがしっと両肩を掴まれた。

な、何事……!?


「誰かになにかされた!? それとも体調が悪いとか!?」


ナツくんは必死の表情でわたしの顔を覗き込んできたかと思うと、矢継ぎ早に質問を浴びせてきた。

突然の出来事に、ちっとも頭が追いつかない。驚きの連続でぽかんとしたまま固まるわたしを、ナツくんがさらに顔を近づけて見つめてくる。

何が何だかわからないままその距離感に緊張を高めつつ、とりあえず投げかけられた質問に率直に返答することにした。