2年生の7クラス分の教室がずらりと並ぶ、長い一本道の廊下。
ホームルームが終わった途端に教室から一斉に出てきた大多数の生徒で、そこはすでに人だかりとなっていた。
部活や帰路へと向かう人で一応流れはできているけど、廊下で固まって談笑している人が多いのも確かで、全体的に窮屈な空間になっている。
身動きが取りにくくて、ただ歩くことがひどく大変なことに思えた。
教室を出るまでの勢いはすっかり人だかりに吸収されてしまい、苦労しながら階段がある方向に向かって進んだ。
ナツくんが帰るとしたら、玄関ホールに一番近いその階段を利用すると思ったから。
だけどいくら先を見渡しても、ナツくんの姿は見つからない。
どれだけ廊下が混んでいようと、背が高いナツくんなら、頭だけでも見えそうなものなのに……。
必死に背伸びをしてみるけど、それでもやっぱり見つからなかった。見つからない焦りが、次第に鼓動に嫌な響きとなって伝わる。
ナツくんの姿を探すことばかりに気をとられて、幾度となく人にぶつかりそうになりながらも、どうにか廊下の一番奥の階段に着く。
「いない……」
だけど階段の下を覗いても、一番会いたい人の姿はなかった。
ナツくんが教室を出てから、すぐに追いかけたのに……。
それでも、追いつけなかった。
教室から階段までという距離で捕まえられなかったどころか、廊下で姿を見つけることさえできなかった。
そのショックがやけに大きくて、今から玄関ホールまで追いかけていく気力も奪われてしまった。
たぶんこの調子だと、玄関ホールに向かったとしても、すでにナツくんは帰ったあとだろうけど……。



