いつでも一番星



……もしかして、苦手なのかな。注目を浴びること。

ナツくんは普段から人に好かれている。でも人気を集める素質があっても、ナツくん自身はそれが苦手ということもあり得るかもしれない。

そうだとしたら、頻繁にさっきみたいなことがあるのは確かに大変だろうなぁ。疲れも感じると思う。


……でも、ナツくんは。

それを、寄ってきた相手には見せていないんだ。まさに、さっきのファンの子たちを快く受け入れたように。

普段だってナツくんはそうだ。誰にだって嫌な顔を見せず、むしろ笑顔で接することが多い。

そんな、自分よりも相手のことを優先する傾向があるナツくんだから。
さっきナツくんが漏らした言葉たちは、少し意外で珍しいものとしてわたしの心に残った。

……でもきっと、それがナツくんの本心なのかもしれない。

笑顔の裏に隠した、本当の気持ち。


「なぁなぁ、次はどこ回る? てか、誰かパンフレット持ってねぇの?」

「あたし持ってなーい」

「大丈夫、俺持ってるよ。ちょっと待って、今広げるから」


いつしかさっきの話が終わり、3人は次の目的地について話し始めていた。

ナツくんがユニフォームパンツのポケットから折りたたんである文化祭のパンフレットを取り出して、それをみんなに見えるように広げる。

わたしもその輪に入れてもらうけど、視線は自然とナツくんの顔を追っていた。


わたしは……どれだけ、ナツくんの本心を知っているんだろう。

本心に気づけていないせいで、いつしかナツくんに無理をさせたりしていないかな?

一緒に文化祭を回ろうという誘いだって、笑顔で引き受けてくれたけど、本当は嫌だったのかもしれないし……。