やっぱり、積極的な女の子もいるんだよね……。
人気があればあるほど、その可能性は当たり前だけど高くなるわけで。
いざそれを実感してみると、さっきまでよりも増して焦っている自分がいた。
……なんか、大違いだな。
同じ教室で顔を合わせていても未だに連絡先を聞けていないわたしよりも、周りの女の子の方が断然ナツくんに近づいている。
それが少し、羨ましい。
わたしはナツくんの特別じゃないのに勝手に嫉妬して、もやもやする胸は重くなる一方だ。
「……別に、すごくないよ。人気なんて、あっても大変なことだってあるし」
ぽつりと小さな呟きが地面に落とされる。
その声の正体がナツくんだと気づいて目を向けると、困惑を織りこんだような苦笑いの表情になっていた。
……あれ、喜んでない?
わたしとしてはテンパりながらも、褒める意味ですごいねと伝えたけど。
どうやらそれは、無意味な言葉になってしまったらしい。
ナツくん本人は、女の子たちから連絡先を聞かれてもあまり喜んでいないような様子だった。
さっき疲れると言ったのも、これが関係しているのかもしれない。
眉を下げるナツくんに対して、なぜか興奮して盛り上がっている横峰くんが食らいついた。
「こんにゃろー! なーにがすごくないだよ。モテすぎて大変とか贅沢な悩みだな! あーあ、俺もそんなセリフ言ってみてぇよー」
「贅沢って……。俺としては、マジで大変なんだけど……」
大袈裟に項垂れて嘆く横峰くんを前にして、ナツくんは完全に困り果てている。
その様子を見ている限り、やっぱりナツくんは自分の人気の高さを喜んでいないみたいだった。



