「雫、やけに上機嫌だね~」
「え、そうかなー?」
大事に持っていた水風船を時折手で跳ねさせていると、茉理ちゃんが意味深に笑みを携えて尋ねてきた。
わざわざ理由は聞いてこないけど、きっとある程度は察しているんだと思う。ナツくんとの間でいいことがあったんだ、って。
「……でさー、俺の命中率が半端なかったわけよ!」
「ははっ、そんなにすごいなら俺も見たかったなぁ」
先を歩く男子ふたりは、横峰くんの射的の腕前の話で盛り上がっている。
楽しそうに頷いているナツくんの顔を盗み見るわたしの心は、手のひらの下で跳ねる水風船のように軽快に弾んでいた。
お昼のピークがやや落ち着き、すっかりお腹が空いていたわたしたちは、飲食の模擬店を回った。
模擬店が立ち並ぶ広い中庭は、おいしそうな匂いと熱気が充満している。
焼きそば、フライドポテト、みたらし団子、じゃがバター、チュロス、フランクフルト、ポップコーン。
おかず系やデザート系など様々なメニューを買って回り、みんなで分け合って食べた。
香ばしかったり甘かったりする匂いに包まれながら、みんなで味の感想を言い合って盛り上がる。
お腹も心も満たされて、とても有意義で至福な時間を過ごした。
「あたしは……タコ? ん、イカかな?」
「俺はウインナーだな」
「わたしはチーズだよ」
「うぐっ、ゲッホゲッホォ! 俺が、ゲホッ、わさびでした……」
盛大にむせた横峰くん。
ちょうど今みんなでロシアンたこ焼きを食べたところなのだけど、どうやら彼がはずれを食べたらしい。



