いつでも一番星



ナツくんを見つけた心が、ゆっくりと高鳴っていく。


「雫、あのふたり帰ってきたよ。誘うなら今がチャンスだよ。ファイト!」

「うん……頑張る!」


同じく帰ってきたふたりに気づいた茉理ちゃんに、ぽんっと背中を叩いて励まされた。

その勢いを頼りに、ナツくんたちのもとへ向かって一歩を踏み出す。


ナツくんと横峰くんを、一緒に文化祭を回ることに誘う。
それは文化祭が始まる前に決めたこと。

せっかく茉理ちゃんがわたしのために考えてくれたアイデアだもん。無駄にはしたくない。

ここから先は、わたしが、頑張らないと。


「……ナツくん! 横峰くん! お疲れさま!!」


宣伝用プラカードを次の担当の人たちに渡し終えたタイミングで、背後から声をかけた。

至近距離で大きな声で呼ぶものだから、ふたりともすごくびっくりした顔で振り返る。

でも、一番驚いているのは自分自身だった。

力んで思いの外大きくなってしまった声に、わたしの方がびっくりだよ……。
これだと緊張しているの、きっとばればれだ。

意識すればするほど身体に力が入っていく。

最初は声に驚いていたふたりだけど、わたしの姿を見たら納得したような顔になった。


「……ああ、平岡ちゃんか。お疲れー!」

「お疲れさま。平岡さんももう仕事終わった?」

「うん」

「そっか、お疲れさま」


ナツくんの微笑みで、少しだけ緊張が和らぐ。けど、なかなか次の言葉が出てこなかった。

でもここで怖じ気づくわけにもいかないし、今さら引き返すこともできない。

決意したんだから、もう前進するしかないんだ。