いつでも一番星



「雫ちゃん、そろそろ交代の時間だから引き継ぎの準備しよっか」

「あっ、もうそんな時間? ほんとだー、準備しなくちゃね」


微笑ましい気分に浸かっていると、クラスメートの声でいつしかわたしの仕事が終わりに近づいていることを知った。

舞台横の壁時計を見れば、あと10分ほどで交代の時間を迎えようとしている。

早ければもうすぐに、次の担当の人たちが来るだろう。

滞りなく交代できるように、先に準備しないとね。



訪れるお客さんに対応しながら、現金残高や景品の在庫を確認して引き継ぎの準備をしていると、あっという間に10分が経った。

そして仕事の引き継ぎも予定通りに終わり、次の担当の人たちと無事に交代を済ませる。

同時刻に仕事が終わった茉理ちゃんと一緒に持ち場を離れて、やっと肩の荷がおりた。

ふうっと息を吐きながら身体を伸ばすと気持ちがよくて、なんだか気分も軽くなる。

短時間とはいえ、慣れない接客は疲れたなぁ……。

でも、忙しくても楽しかったし、きっといい経験になった気がする。


清々しい気持ちを感じていると、ふと、体育館の入口に現れた人影に目を奪われた。

すらりと真っ直ぐ伸びた姿勢が綺麗な人……ナツくんだ。

隣には、一緒に宣伝に行っていた横峰くんの姿もある。ちょうどふたりも仕事を終えて、交代するために戻ってきたみたいだ。


……どうしてだろう。

いつもナツくんの存在を、目が勝手に捕らえているんだよ。

どれだけ周りに人がいても、いつだってその姿を一番に見つけられる。

同じユニフォームを着て目立っている横峰くんが隣にいても、自然とナツくんを最初に認識するんだ。