-飛鳥side- 俺の頭の中はぐちゃぐちゃだった。 さっきの光里の声が、ずっと頭の中でぐるぐるしてる。 “飛鳥君の事はもう、忘れるから” 「っ・・・」 俺は唇を噛みしめた。 俺がしたかったのはこんなことじゃない。 俺は光里に忘れられるためにこんなことをしたんじゃない。 思えば俺は、光里にべたぼれだった後。 急変した。 光里に対して、冷たくなったのだ。 なぜあの時は気付かなかったのだろう。 それで光里がどれだけ傷つくか。 勝手な俺の考えのせいで。