急に弱気になった女。
この子、誰だっけ・・・・？
そして、健ちゃんはそれだけではとどまらなかった。
飛鳥君を指差して、こう言ったのだ。
「お前が光里の事を大切にしないのが悪いんだろ。最初は優しくして、次は突き落とすのか。とんでもねえ野郎だな」
「健ちゃんっ、もういいから・・・・」
「よくねえよ。お前は散々傷つけられたんだろ？」
「もういいの・・・、もう・・・・・」
「お前がそう言うなら・・・・」
「飛鳥君の事はもう、忘れるから大丈夫だよ、健ちゃん。帰ろ」
「おう」
そして私は決意を固めるため、一度も振り返らなかった。
当然、その時の飛鳥君の表情なんて見てはいない。
