溺愛彼氏に振り回されて


私は教室の入り口で立ち止まる。


「光里・・・・どういうこと?」


「えっと・・・・」


言葉を紡ごうとしても、なかなか出てこない。


「本当」


いつもと同じ飛鳥君の声が聞こえる。


「だったら私ぃ~飛鳥君の彼女になりたいなぁ~」


「や・・・・・・」


私は耳を両手で塞いだ。


「てゆうかぶっちゃけぇ~なんで工藤さんなんかと付き合ってたのかぁ~不思議だったんだよねぇ~」


やめて・・・!


「光里!」


「美優・・・・・・」


もう私は飛鳥君に話しかけてはいけない。


そんな権利すら、資格すらない。


その事実がたまらなく悲しい。