自然と緩む頬を、なんとか引き締める。 「光里~」 教室のドアのところから、私の名前を呼ぶ声がした。 「ん?」 その声の主は。 「あ、健ちゃん!」 急いで駆け寄る。 「どうしたの?」 「英語の教科書忘れちった」 「もぉ~!健ちゃんってば忘れ物多すぎだよ!」 「わりーわりー。今度なんかおごるからさっ」 「本当?じゃあ、駅前のカフェの名物。ジャンボチョコパフェで手を打とう」 「わ、お前太るぞ?」 「うるさいっ!そんなこと言うと貸してあげないよ?」 「あー、ごめんなさいっ!」