パッと屋根の上に飛び乗る。 赤を靡かせ、月の光を浴びながら走った。 隣では、いつもと同じように鈴が走る。 私は昼、寒色系の着物を着て、夜は赤や黒の着物を着る。 それは、昼と夜で印象を変えて同一人物だと気づかれないため。 ある程度広い所に来ると月を見上げた。 その場に腰掛け、ゆっくりと歌う。 「……淡い色は星の色」