「しかも、あんたはあたしに助けられた。」



「………まあ。」



「理由は十分だと思わないかい?」



少し返答に困っていると。



「もちろん、ただでなんて言わない。住む場所も貸すし、食事だって付けるよ!」



なんとなく、この人の頼みは断れない。



「じゃあ、お願いしてもいいですか?」



そう聞くとパアッと表情が明るくなった。



「こっちからお願いするよ!」



「ありがとうございます。」



私はゆっくり頭を下げた。