まあ取り敢えず、襖を開けた。 否、開けようとした。 「主様の言いつけを守ることもできないとは……。早く座らないと少々痛い目に遭うぞ?」 突然、聞いたことのない声がかかる。 驚いて振り返るとそこには1匹の黒猫。 一歩一歩とこちらに近づくたびにちりんっ、ちりんっ、と愛らしい鈴の音が響く。 あれ? 確かに声が聞こえたはず。