エメラルドが続けて文章を読むと、世の中には悪者がたくさんいるので、注意が必要なこと。それとグレイスには純白の守護者がついているので大丈夫であることが書かれている。

「『純白の守護者』なんている?」
「ここにいるじゃないか」

 機嫌良く笑っているエメラルドに視線を向けたグレイスは乾いた笑い声を出した。

「愛想笑いが上手くないな」
「黙って」
「本当のことだろ・・・・・・」
 
 きっとこれは主のことなのだと、グレイスは解釈した。それだったら、納得できるから。

「心理テスト、続ける?」
「まだ時間があるからな・・・・・・」

 今夜は心理テスト遊びで埋め尽くされる。

「今度は私から質問しようか?」
「いや、私が質問する」

 エメラルドは本をしっかりと持っているので、グレイスに渡す気は一切ない。
 大嫌いな人からいきなり話しかけられたときにどうするか、選択肢の中から選ぶ心理テスト。

「決めたか?」
「うん、一番最初にする」

 グレイスは冷静な顔でしっかりと話す選択をした。

「何がわかるの?」
「君の本性だな」

 物事を的確に判断して行動できるタイプ。表裏も少ないことが書かれている。

「今、何時?」
「何時だろうね・・・・・・」

 いつも時計を持ち歩いているエメラルドが珍しく、持ってくることを忘れていた。

「たまにあるんだよ」
「そう・・・・・・」