グレイスがエメラルドに同じ質問をすると、行きたい場所はたくさんあるらしい。

「世界は広いからな。とてつもなく」

 エメラルドはグレイスよりも世界の綺麗なものも醜いものも含めて、知らないことをたくさん知っている。

「さてと・・・・・・」

 別の質問をされることを待っていると、彼は書架まで歩き出し、そこから心理学の本を出した。
 ページを開いて、グレイスにも見えるように広げた。そこには赤や青、緑、黄色などの色をした丸や三角、四角などの形をした写真が載っている。
 
「実験?」
「いや、ちょっとした遊びだ」

 そこから好きな色を一色選ぶように言われ、グレイスは青を選んだ。
 エメラルドは本を持ち上げて、次のページを捲り、基本的な性格を表していることを言った。

「何て書いてあるの?」

 心理学の本をたまに読むので、グレイスは質問しなくても、大体わかっていた。書いてあることを読んでもらうと、グレイスが想像したままだった。
 エメラルドもこの心理テストをして、彼が選んだ色は緑。仕事を効率的にこなして、自然の美について理解していることが書かれている。

「へぇ・・・・・・」

 緑はバランスをとる働きをしたり、強い信念を持っていることだけ知っていた。

「それにアクアのことを理解しようとしていることも・・・・・・」
「そんなこと、どのページにも書かれていないでしょ」