エメラルドは口元を引き上げ、息を吸い込んだ。
 どんな質問が飛んでくるのか身構えていると、グレイスが一人でいるとき、何をしているのか興味を持たれていることを知った。
 一人でいるときは本を読むことが圧倒的に多い。本が好きであると同時に、知識を吸収するために勉強もしている。
 改めて自分は面白みのない人間であることを思い知らされた。

「私も時間があるときは一人で読書をするが、これからはアクアとしてもいいな・・・・・・」
「いつもしているよ?」

 それは仕事だから当然のこと。
 エメラルドは首を横に振って、プライベートのときもグレイスと同じ時間を過ごしたがっている。

「休みのときも一緒に本を読んでいたら、仕事とあまり変わりはないね」
「そうだな。他にも中でできることはいくらでもあるから、それも楽しもう」

 何をするのか気になったものの、そのときになったらわかることなので、グレイスは頷いた。
 質問はしばらく続くみたいで、次の質問が来た。

「行ってみたい場所、どこかあるか?」
「えっと・・・・・・」

 すぐに言葉が出てこなくて、グレイスはしばらく考えた。
 仕事が休みのとき、外に出ることは少ないので、どこにどんな店があるのか、把握できていないところがある。

「綺麗なところに・・・・・・」
「なるほどな」