黄昏の特等席

「ラッドさん?」
「お嬢様! お久しぶりです!」

 グレイスに気づいた彼は嬉しそうに近寄ってきた。

「ずっとお会いしたかったです!」
「私もお会いしたかったです!」

 ラッドの笑顔を見たグレイスも彼に笑顔を向ける。
 グレイスが無事であることを知ったラッドは心から喜んだ後、四人は客間に向かった。

「ラッドさんとエイデンは・・・・・・」
「友達ですよ」

 エイデンの姉がラッドと仲が良く、後からエイデンとも仲良くなったらしい。

「お嬢様・・・・・・ちょっと見ない間に大きくなられましたね」
 何年も会っていなかったので、グレイスがこんなに成長しているとは思っていなかったようだ。

「ラッドさん、私・・・・・・」

 グレイスがミルドレッドの話を始めると、彼は顔を引きしめる。
 クルエルが危険な男だと知ったミルドレッドがグレイスの手を引いて逃げようとしたものの、待ち伏せをしていたクルエルに崖から落とされたことを話した。
 他の方達も酷いことをされてしまい、そのことを話している間、泣きそうになっていた。

「ミルドレッドさん、実はここにあなたを連れてこようとしていたのです・・・・・・」
「この家にですか?」
「はい。そうです」

 そのことを初めて知ったグレイスは非常に驚いている。ミルドレッドはどこに行くのか、グレイスに教えていなかった。
 二人がグレイスに内緒で連絡を取っていて、話し合いをした結果、この家に決めたようだ。