さくらの花が咲く頃に

「マーガレット!人間界行きが決まったの!嬉しいわ」


私は部屋に入るなり、大声でさけんだ。

奥でドレスの整理をしていたマーガレットが顔を出す。


「やっと!それはよかったですね!では、早速準備をしなければ」

「そうね。あ、マーガレットも一緒よ!」


トスン、と椅子に腰掛ける。

ポットに紅茶が入っている。

勝手に飲んじゃおう。


「まあ!私も一緒に行っていいのですか?」

「お父さまのはからいよ。きっと私一人じゃ生活出来ないと思ってるんだわ」


カップを口元に運ぶ。


「そりゃあ…リラさま一人じゃ生活は無理では…」

「あら!一人でもきっとうまくできるわ」


みんな私を何にもできないお姫さまだと思っているのね!

たしかに…そうかもしれないけど…。


「あと、リヒトも一緒なの!私はマーガレットと二人がよかったわ」

「いいじゃないですか。リヒトさまは頼りになりますよ。そんなこと言わずに…」

「……呼んだか」

「あら。噂をすれば」


ノックをして(返事もしない内に)ドアを開けたのは、リヒトだった。