さくらの花が咲く頃に

「リラさま、今日の集会中に寝ていらっしゃいましたでしょう」

「ふふん、あたり。私のことならなんでも知ってるのね!」


前言撤回だわ。

これは迷惑よ、ほおっておいてほしい!


「ふざけないでください。話を聞くことは基本でしょう。一国の王女がそんなんでどうするんだ」

「どうもしないわ。だってつまらなかったんだもの!」

「つまらない?リラさまは俺やマーガレットなしで生活できるのか?」

「それとこれとは関係ないでしょ!急にどうしたのよ」

「はあ?ほんとに何も知らないのか?」

「知りませんっ!だって私は寝てたんだもの!」


ベッドからずんと立ち上がってそう言うと、タイミングよくマーガレットが部屋をノックした。


「あ、はあい」


エプロンをしたマーガレットが顔を出す。

「お話中失礼します。夕食の準備が出来ましたので、降りてきてくださいな」

「今行くわ!」

「それからリラさま、学校は寝るところではありませんわ」


そんな素敵な笑顔で言うけど、寝ないのってちょっとつらいのよう。


「努力するわ」

「…まったく」


リヒトが隣でため息をつく。

マーガレットが階段を降りて行ったのを確認して、私はまた声を上げた。


「仕方ないでしょ!眠いしつまらないんだもの!ため息をつかないでよ」

「人間界への留学を望んだのはあなたでしょう。認めてくださった国王に感謝しているのならそれ相応の生活態度を見せたらどうですか」

「わかってるわよ。お父様には感謝してるわ」


鉄仮面みたいなのを被った無表情なリヒトが腹立たしくて、私はちょっぴり睨みをきかせた。


「なんだ」

「なんでもないわっ。早く行きましょう」


スカートを翻し、私は乱暴に部屋を出て行った。