第二回学年集会、なんてものが始まった。
ちなみに、移動してきたとき、彼はしっかり目に捉えた。
友達と楽しそうにふざけあってて、ちょっと羨ましくなった。
でも、私はすぐに目をそらした。
ストーカーみたいだと思うなら、そう思ってちょうだい。
昼間になると、私はいつもの冷静な王女に戻って、まあ、感情的になることもなくなる。
どちらが本当の私かと問われれば、答えるのは難しい。
でも、きっと両方私なのよ。
気にして深く考えることはないわ。
……さてさて、人間界の学校の仕組みにも慣れてきたかというころ、宿泊交流会とかいう行事についての集会が行われた。
また集会。この体育館でよ。
ほんとうに床が硬いわね。
改善の余地があるわ。
「えー、みなさんご存知だと思いますが、新しいクラスの親睦を深めることを目的として緑の丘センターに泊まります。集まっての通り、この行事は1.2年だけで…」
マイクを持ったおじさんが出てきて、話し出した。
緑の丘センター?
どこかしら、そこ。
とってもありふれた名前ねえ。
もっと素敵な名前を考えてあげたらどうかしら?
そもそも、それは何をするところなの?
センター…って、ちょっとざっくりし過ぎてるわ。
帰ったらリヒトに調べさせようかな。
……はあ。
おじさんが何かしゃべり続けているけど、なんだかそんなに重要なことじゃなさそう。
団体行動とか規律を守るだとか、私は興味ない。
大事なことは、紙にまとめて書くべきだわ。
暇過ぎて、あくびが出そうよ。
でも、人前であくびなんかしたらリヒトに怒られるわね。
学校じゃ話しかけてこないから、きっと家に帰ってから言われるわ。
最初は混乱したけれど、学校ではリヒトと他人同士、という関係にも慣れてきた。
家での、あのお節介ぶりがなかったら嫌われたのかと思うけど、そんな心配いらないということもわかったし。
そもそもリヒトは護衛で、お使いさんじゃないから、私の世話をやくこともないはずなんだけど、あいつは多分執事とかに向いてるのよ。
だから私にかまうんだわ。
別に、迷惑じゃないからいいけどね。
