さくらの花が咲く頃に

次の日。

私は教室のドアの前で深呼吸をした。

せっかくの人間界での生活よ。

楽しまないでどうするの!

自分に喝をいれると、ガラッとドアを開けた。

ガヤガヤと騒がしい教室。

自分の席に座って、カバンをおろす。


「神崎さん。おはよう〜」

「おはよう」


わあ。

隣の席の子が話しかけてくれた!

そうよ、こうやって友達を作っていくんだわ。

頑張りなさい、リラ!


「ねえ、よかったらりらって呼んで?」


ど、どう?


「わかった!じゃあ私は茜って呼んでね」

「わかったわ。これからよろしくね!」

「うん!こちらこそ!」


茜ちゃんは、髪の毛を綺麗に結ってる女の子。

頭の上から三つ編みをして…ん?

どうなってるのかしら?

全体的に三つ編みが頭にくっついてるみたいだわ。


「茜ちゃん、その髪の毛はどうなっているの?」

「茜でいいよ。…これ?編み込みだよ」


編み込み??

聞いたことないわ。


「りらは綺麗な栗色だね!元から?」

「元から?あ、染めてるわけじゃないの」

「そうなの?羨ましいなあ。私は漆黒だからね!」


黒も素敵だと思うけどなあ。

そういえばリヒトも黒だ。

茜はニコッと笑うと、


「ちょっと私、用事があるので失礼!」


と言って、席を立ってしまった。

……いやいや、残念がるなんて贅沢だわ。

こんな風に話せてよかった!

友達も、いつかは出来そうね。

人間界、悪いところじゃないじゃない。

…なんて、私ったら現金!

そうね。編み込みのこと、マーガレットにも話してみよう。