°°ワガママの果て°°

たった30.40分のアイツとの時間は一瞬で過ぎた。



急いで帰ったアイツは
鳴り続いていた着信相手との約束に向かったのだろう…



全てを知りたくて…
でも全て知るのはやっぱり怖くて
聞くのをためらってしまう臆病な心。




アイツと分け合った熱が冷めるころ
やっと家に到着した。

アパートの階段をあがり鍵をまわす…



カスっとすんなり回った鍵に
目を閉じて唇を噛み締めた。



鍵が開いている…
嫌な予感はドアを開けてすぐ的中した。




裏返った親父の靴。
酔っ払った笑い声が家中に響いている。