°°ワガママの果て°°

「寝てる!」



……ん?
と心の中でほんの一瞬だけ
拍子抜けしたようなハテナの時間が流れた。
でも同時に笑いがこみ上げた。



「あはは♡なんで?なんでよ?
世界が滅びちゃうんだよ?寝てるとかもったいないよ!」


あまりにも真顔で”寝てる”なんて
言うからお腹を抱え笑ってしまった。



「なんで笑うんだよ!そんな最後の瞬間とか怖いじゃん?だから寝てる間に滅びてほしい」



「えー!わからなくはないけどさ…
でもつまらないじゃん!もっと他にやりたいことあるでしょ?ねぇねぇねぇ♡」




ちょっと甘えて膨れるわたしは悟くんの体を揺らす。




そんなわたしを笑いながら見つめて
再び真剣にゆっくり言葉を口にする。



「やりたいことなんてねぇーよ!
滅びるその瞬間までずっと寝てたい!
……お前の隣でね。」