°°ワガママの果て°°

頭の中で葛藤を続けたまま1階に降りた。
母に”おはよう”も言わずに
テーブルに用意されている朝食に手をのばした。




会いたい。
でも…でもでも…






会いたい。




朝食のシリアルを食べながら
目の前に座る母の顔をボーっと見つめる。




「なによぉ~園夏…
そんなにじっと見つめて」





わたしはまだ砕ききれていないシリアルをオレンジジュースで流し込んだ。






「お母さんさ…すごくすごく…
ものすごぉーーく食べたい物があるとするでしょ?」




「あはは!なによ急に!」




笑う母を置き去りにして
いつもになく真剣に話を続ける。





「でも、その食べたい物…
食べるのを控えなさい!って言われたとしたらさ…どうする?」




「う~ん…そうね…
3分の1くらい食べてあとは我慢するかもしれないわね。まぁそこまで食べたい!ってなることはないと思うけど……で?なんでそんなこと聞くのよ?」




母の答えを最後まで聞かず
残りわずかのシリアルを流し込む。



「なるほど!お母さんありがと♡」




食器をそのままにして部屋への階段をいっきに駆け上った。



「ちょっと!園夏?!」










”悟くん♡
時間短くても大丈夫なら会えるよ♡”





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