°°ワガママの果て°°

「…………?」






無言で歩き続ける俺の手をアイツの手が包んだ。






「ねぇ♡もう桜散っちゃうかもしれないからさ、今から見に行こう♡夜桜♪」





そう言って俺を引っ張るアイツに呆れながらもまた一歩惹かれていく。








「わぁぁ……やっぱりほとんど散っちゃってる~」




「もう春も終わるし、風も強いしな…」






ビュッと吹いた風が2人を近づけて
花びらはヒラヒラ散っていく。





「わぁぁ♡綺麗……♡」





散っていく花びらをキレイというアイツ。





「悟くん♡歩こっ?花びらの道♡」





「お前楽しそうだな…」




「悟くん楽しくないの?」





「……楽しいって言うか…」




「結婚式みたいだねっ♡フラワーシャワーの中を歩くの♡」






結婚…
そんな一言になぜだろう…
俺の胸は痛くなった。






ただ微笑んで歩くアイツの
横顔をそっと見つめていた。