°°ワガママの果て°°

俺の服の裾をパッと離したアイツは、すかさずすぐ隣にきて腕を掴んだ。




「連絡先教えちゃダメだった?」




なんて言ってキョトンとした顔で首をかしげる。





その顔を一瞬見つめてため息を吐いた。




「はぁ…まぁいいや…」



再び歩き出した俺にペースを合わせるアイツの足元からはヒールの音が慌ただしく響く。




「待って待って!だって悟くんの先輩だよ?断るとか違う気がする…なんかこうさ…断ったら、なんだよこの女的な?別にそんなつもりで聞いてねぇよ!みたいなさぁ~実際、先輩だってそういうつもりで聞いたわけじゃないし…」






「どんなつもりで連絡先聞いたかなんて、本人しかわからないだろ?なのになんでお前が、そんなつもりじゃないとかわかるんだよ?」







「わたしが先輩の事、な~んとも思ってないから♡」