°°ワガママの果て°°

カツカツとヒールの音が近ずいてきて、街頭の光がアイツらしきシルエットを照らした。





「悟!!あれ園夏ちゃん?あれが園夏ちゃん?」





「多分そうっす…てかそうっすね」






春の夜風が吹きつけて、アイツの短いスカートを揺らす。






アイツへの第一声はこの瞬間決まった。





笑いながら近ずいてきたアイツに先輩が声をかけた。


「初めまして、園夏ちゃん!」





「あっ…初めまして……名前なんで…知って……」





不思議そうなアイツに先輩が答える前に俺が答えた。




「俺が教えたの!てか、お前そんな格好でくんなよ」





いつもの服装だけど、先輩がいるからか…今日はやけに露出が気になった。




そして、なんとも言えない憂鬱な時間が始まったんだ。