「原くんの仕事に対する思いは評価しているよ!海外出張も残り1ヶ月だからきちんと学んできなさい。」
「はい!すごくいい経験をさせて頂いて本当に有難いです。社長のおかげですありがとうございます!」
テーブルいっぱいに用意された母の手作り料理を前に父と仕事の話を始める俊哉。
キラッキラに輝く笑顔がギスギスしている家族を笑顔にする。
「園夏には寂しい思いをさせちゃうけど、あと1ヶ月だから待っててね」
”優しさが痛い”とはこういう事なのかもしれない。
「わたしは大丈夫だよ。待っていられるから!」
明るく言ったわたしに父は
”そんなの当たり前”だと言った。
ねぇお父さん…わたしはその当たり前の事が出来ていないんだよ。
揺れ動く想いが苦しくて、自分が嫌で仕方ないけどそれを隠して笑う。
”幸せってなんだろう”
安心した様子で微笑む母も、
俊哉を部下に持ち自慢げに笑う父も、
わたしの家族に受け入れられて満足そうな俊哉も、皆んな幸せそうで…
これを壊すなんて…
そんな勇気わたしにはない。
ねぇ悟くん…
それでもわたしは今この瞬間も
悟くんを想っているよ。
誰にも言えない。
誰にも伝わらない現実がわたしを追い詰めていく。
「はい!すごくいい経験をさせて頂いて本当に有難いです。社長のおかげですありがとうございます!」
テーブルいっぱいに用意された母の手作り料理を前に父と仕事の話を始める俊哉。
キラッキラに輝く笑顔がギスギスしている家族を笑顔にする。
「園夏には寂しい思いをさせちゃうけど、あと1ヶ月だから待っててね」
”優しさが痛い”とはこういう事なのかもしれない。
「わたしは大丈夫だよ。待っていられるから!」
明るく言ったわたしに父は
”そんなの当たり前”だと言った。
ねぇお父さん…わたしはその当たり前の事が出来ていないんだよ。
揺れ動く想いが苦しくて、自分が嫌で仕方ないけどそれを隠して笑う。
”幸せってなんだろう”
安心した様子で微笑む母も、
俊哉を部下に持ち自慢げに笑う父も、
わたしの家族に受け入れられて満足そうな俊哉も、皆んな幸せそうで…
これを壊すなんて…
そんな勇気わたしにはない。
ねぇ悟くん…
それでもわたしは今この瞬間も
悟くんを想っているよ。
誰にも言えない。
誰にも伝わらない現実がわたしを追い詰めていく。

