°°ワガママの果て°°

「入って!」


あっさりとわたしを家に招き入れる悟くんの背中を見つめながら真っ暗な玄関に足を踏み入れた。




悟くんの家は高校生の時一回お邪魔した以来で、変わっていないはずの内装(けしき)が今日はなんだか違って見える。
想う気持ちはあの頃と変わらないのに…


夜のせい?暗いから?
大人になったから…?


この妙な緊張感を抑えたくてあえて言葉にしてみた。




「なんか…緊張するんだけど…。」




「大丈夫。誰もいないし、帰ってこないから」




だから余計緊張するんだよ。
なんて思いを呑み込んで玄関の右側にある部屋まで悟くんの後に続いた。