猫の世界と私

少し残念そうな表情を浮かべると、未来は抱き上げていた猫を下に降ろし、校舎全体を見渡した。
遠い目で、時折、何かを感じるように未来は学校を見ている。



「懐かしいの?」

「何が?」

「高校」

「まぁ、そりゃ…って卒業してから、2年ほどしか経ってないから、そんなに時間は経ってないんだけどね」

「卒業すると、そんな感じになるのかな…」

「中学行ってみたら分かるかもよ」

「あ、なるほど」



未来が感じていた懐かしさの意味が分かった。
当たり前に毎日通っていた学校。
卒業してしまうと、足を踏み入れることはあまりない。

だからこそ、見慣れた校舎も、見慣れた通学路も懐かしさでいっぱいになる。



「結愛、次は駅に行こう」

「駅?」

「うん、嫌?」

「嫌じゃないけど…分かった…」