「…はい、松井です」


「あっ私、今日の!瀬戸 美優です!」



五回目のコールで、静かな彼の声が聞こえて心臓が飛び跳ねた。


「あぁ…何となくそんな予想はしてました。どうしたんですか?」


「今週の日曜日、デートしましょう!」


こんな真っ直ぐにアプローチをしたことなんて、初めてだ。
恥ずかしいを通り越して、なんだか楽しくなってくる。


「はぁ…唐突というか、大胆と言いますか…。扁桃体で恋をした人間は…」

「はいはい。それで行くの、行かないの?どっちですか?」

「休みなので行っても構いませんが…」


この人は、なんでイエスかノーで答えないんだろう。はっきりしなさいよ、と思ってしまう。

なんとかデートの約束をこぎつけた私は、上機嫌でベッドへ横たわった。



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